摂食指導ができる歯科医師の養成

理事長挨拶

“歯科医から食医へ”

江藤一洋(東京医科歯科大学名誉教授・元同副学長・歯学部長)

今なぜ摂食支援なのですか

増え続ける高齢者人口は、2025年には団塊の世代700万人が後期高齢者となり、65才以上の人口は全人口の30%に達します。さらに2035年には年間165万人の死亡者の内、47万人分の病室が足りない状況となることが推定されていますので(厚労省ホームページより)、2035年までは摂食嚥下指導を必要とする患者さんは増え続けます。

摂食嚥下機能改善の効果は何ですか

脳卒中患者の誤嚥性肺炎発症率

脳卒中リハビリの患者さん以外にもがん周術期の患者さん、がん化学療法の患者さん、緩和ケアの患者さんについても口腔管理や摂食嚥下指導の重要性が指摘されています(データは足利赤十字病院)

摂食嚥下指導は具体的に何をするのですか

高齢者に特有な口の機能低下(オーラルフレイル)

・硬い物が食べにくい         ・口角にご飯粒がよく付く
・よく食べこぼしがある    ・飲み物でむせる
・口が渇く                       ・滑舌が悪くなった

オーラルフレイルがさらに進むと、摂食嚥下障害(下記の一連の流れのどこかに問題が生じる)がおこります。この障害をとり除くための摂食嚥下指導が必要です。

先行期(食物を認知して口へ)     ➡準備期(食魂形成) ➡口腔期(口から咽頭へ)➡咽頭期(咽頭から食道へ) ➡食道期(食道から胃へ)

“上記の一連の流れのどこかに問題がある。”

摂食嚥下指導を実施している歯科医師はすぐに見つかりますか

65才以上の高齢者人口が17.4%(平成12年)から26.6%(平成27年)に急増しているにもかかわらず、訪問歯科診療を実施している歯科診療所の割合は平成14年の18.0%から平成26年の20.5%とわずかしか増えていません。また、歯科診療所の外来受療率は65才~74才をピークに低下しています。一方医科病院の外来受療率は同世代で急激に増加しています。以上のデータをみる限り、摂食嚥下指導を実施している歯科医師は不足していると思われます。

摂食嚥下指導の診療費はどうなっているのですか

平成28年度診療報酬改定で「在宅歯科医療の推進について」として以下のような診療報酬上の手当てがされています。

在宅患者の口腔機能の包括的な評価

平成28年度 診療報酬改定で摂食嚥下指導の普及が進んだのでしょうか

平成28年6月の保険請求件数

形態回復中心の訪問歯科診療件数  2,146,056件 (373,586,786点)

機能回復; 摂食嚥下指導に関する「在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料」件数 8,329件(2,290,600点)

上記数値を見る限り摂食嚥下指導の普及はきわめて不十分と言わざるを得ません。

食医とは何ですか

食医とは患者さんに対して摂食嚥下指導ができる歯科医のことです。

「一口でも好きなものを味わって食べることは、患者さんを笑顔にし、喜びを支えます。食べることは生きることそのものです」と小山珠美先生も言われています。患者さんに食べる喜び、生きる喜びをかみしめて頂けるようにするのが食医の使命です。

FAXにてお問い合せください TEL 03-5621-7124 FAX:03-6869-3588

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